体制・メンバー

計画班A01「独自硫黄活性化法開拓に基づく硫黄ポイント導入精密有機合成」


 本領域では、単体硫黄(S8)を中核資源とし、既存の有機合成化学では達成不可能な「S1原子のポイント導入(精密加硫)」法の創出に挑みます。
 S1導入によるチオフェン骨格形成反応などをモデルとして、S8の“触媒的”および“電気化学的”な活性化法の開発とメカニズム解明を行います。さらに、この低分子合成で培った技術を高分子合成へと展開します。 例えば、単体硫黄とジインから導電性材料である「ポリチオフェン」を原子効率100%で合成する手法などの確立を目指します。

荻原 陽平(おぎわら ようへい) :A01班代表

岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース 准教授
国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ研究者

博士(理学)。日本学術振興会 特別研究員(DC2)、東京理科大学 理工学部 助教および講師、東京都立大学 大学院理学研究科 特任准教授を経て、2024年4月より岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース 准教授。2023年10月より国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者を兼務。専門は有機合成化学・有機金属化学。

渡辺 日香里 (わたなべ ひかり):A01班分担

東京理科大学 創域理工学部 先端化学科 講師

博士(理学)。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、東京理科大学 理工学部 先端化学科 助教を経て、東京理科大学 創域理工学部 先端化学科 講師。科研費助成事業 学術変革領域研究(B)「単体硫黄活性化の体系化と開拓に基づいた統合的精密合成化学(硫黄精密変換)」計画班A01分担者。専門は電気化学・溶液化学など。

計画班A02「独自硫黄活性化法開拓に基づくテーラーメード精密高分子合成 」


 本領域では、硫黄の「塩基活性化」を起点とした、未踏の「逐次重合硫黄ポリマー」プラットフォームの構築と学理の確立を目指します。従来の硫黄ポリマー合成は、硫黄を高温(180℃以上)で加熱して生じるラジカルを用いた「連鎖重合」が主流でしたが、この方法ではポリマーの構造や硫黄数の精密な制御が困難でした。 小林班では、硫黄を塩基(アルカリ金属や有機塩基)と反応させて硫黄アニオン(Sジアニオン等価体)を生成させ、これとエポキシやイソシアネートなどの2官能性モノマーを反応させる「逐次重合」を採用します。これにより、以下の革新的な合成を実現します。

  • 低環境負荷プロセス(室温合成): 官能基の反応を利用するため、従来のような高温を必要とせず「室温合成」が可能です。さらに、有機溶媒を使わない水中反応や、水すら使わない無溶媒反応といった、極めて環境負荷の低いプロセス開発にも挑戦します。
  • テーラーメード合成: 塩基の種類や量、反応させるモノマーを変えることで、ポリマー中の硫黄数や化学構造を自在にデザインできます。

小林 裕一郎(こばやし ゆういちろう):A02代表

大阪大学 大学院理学研究科 助教
国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ研究者

博士(マテリアルサイエンス)。大阪大学 大学院理学研究科 特任研究員、京都大学 大学院工学研究科 特定助教、大阪大学 大学院理学研究科 特任助教を経て、2019年1月より大阪大学 大学院理学研究科 助教。総括班分担(知的財産管理担当)および計画班A02代表。専門は高分子化学・超分子化学。

木田 拓充(きだ たくみつ):A02分担

滋賀県立大学 工学部 材料化学科(ガラス工学研究センター兼務) 講師
国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ研究者

博士(工学)。日本学術振興会 特別研究員(DC1、PD)、名古屋大学 大学院工学研究科 特任助教、北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス系 助教を経て、2023年4月より滋賀県立大学 工学部 材料化学科(ガラス工学研究センター兼務) 講師。2023年10月より国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者を兼務。専門は高分子化学・高分子物性・ラマン分光法など。

計画班A03 「独自硫黄活性化法開拓に基づくクリーン精密金属錯体合成」


本領域では、光照射(UVなど)を利用した単体硫黄(S8)の「クリーンな活性化技術」を確立し、高付加価値な含硫黄金属錯体の精密合成と学理構築を目指します。従来の含硫黄錯体や配位子の合成は、有毒で悪臭のある試薬の使用や、強塩基を用いた煩雑な工程が必要でした。塚田班ではこれらの課題を解決するため、以下の2つの革新的なアプローチでS8の光活性化に挑みます。

1.直接活性化法: S8へ直接光照射を行い、S-S結合を選択的に開裂させて硫黄活性種(ラジカル)を発生させる手法。
2.間接活性化法: 金属前駆体や金属錯体を光励起することで、間接的に硫黄の構造を改変・制御する手法。

これらの技術を用いて、8族・9族金属(鉄やモリブデンなど)を用いた含硫黄多核金属錯体や、硫黄架橋配位子を超低環境負荷かつ高効率に合成(ワンポット合成)します。さらに、合成した錯体の構造解析や反応系中のその場観察を通して、「光照射によってどのような硫黄活性種が生成するのか」を逆算的に同定し、反応メカニズムの本質解明に挑戦します。

塚田 学(つかだ さとる):A03班代表

千葉大学 大学院工学研究院(融合理工学府) 物質科学コース 准教授

博士(理学)。日本学術振興会 特別研究員(DC2)、東京理科大学 理工学部 助教、広島大学 大学院工学研究科 助教(次世代自動車技術共同研究講座)、千葉大学 大学院工学研究院 助教を経て、2025年10月より千葉大学 大学院工学研究院(融合理工学府) 物質科学コース 准教授。総括班分担(セミナー企画・産学連携担当)および計画班A03代表。専門は錯体化学・有機無機ハイブリッド材料・高分子化学など。

計画班A04「独自硫黄活性化法開拓に基づくメカノケミカル精密無機材料合成 」


 本領域では、機械的なエネルギー(ボールミルなど)を利用した「メカノケミカル活性化」を基盤とし、これまで熱力学的に不可能とされてきた「金属酸化物から金属硫化物への室温・直接変換」という未踏の領域に挑戦します。従来の金属硫化物合成は、高温処理(500〜1000℃)や有毒な硫化水素ガスを必要としていましたが、加藤班では以下の革新的なアプローチで、室温・常圧・無溶媒という極めて環境負荷の低い固相合成法を確立します。

  • 未踏の室温直接硫化
  • ブラックボックスの打破(活性化機構の解明)
  • 戦略的資源化

加藤 邦彦(かとう くにひこ):A04班代表

岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース 助教

博士(工学)。名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 特任研究員(特任助教)を経て、2025年4月より岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース 助教。総括班分担(広報・アウトリーチ担当)および計画班A04代表。専門は無機材料化学・ナノ材料科学・メカノケミストリーなど。

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